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国の風

2007/09/29

メキシコにも大分慣れてきた気がする。
地下鉄にも乗れるし、バスにも乗れる。
メキシコシティの観光地や、観光地じゃない場所にも何箇所か行った。
ビジネスの中心地はスペイン時代のコロニアル都市とかではなくて、
大きなビルが立ち並ぶところにあり、ビジネスマンが忙しく歩くのも見た。
メキシコ料理の辛さにも大分慣れてきたし、
辛い料理だけでもないことも知った。
もちろん、メキシコの伝統的な音楽マリアッチやノルテーニョ、
そして、町のいたるところでレゲトンがかかっているのも聴いた。
コロナやソル以外にもたくさんのビールがあるのに、
野外では酒はそんなに飲まないことに驚き、
メスカル(テキーラ)の非常に質の悪い、
薬用アルコールが入っていると噂される非常に安いアルコールが、
コンビニなんかで買えて、次の日大変な2日酔いになることも分かった。

ふと考えると、2週間程前はヨーロッパとアジアの境目、トルコにいた。
トルコとメキシコ。全く違う。
何が違うか?分からない。
最初に書いたような事をそれぞれ比較して、
それぞれの違いを考えると良いのだろか。
交通手段、言葉、音楽、食事、酒。
確かに、それぞれの要素において、国の個性があるように思う。
ヨーロッパでも国を渡るたびにそれぞれの国の違いに驚いた。
メキシコは大陸が違うので、あきらかに相当違う。
何が違うんだろう。
同じだなと思う部分もたくさんある。
メキシコはスペイン占領時代の建築が多く残っていて、
見た感じはヨーロッパっぽく見えない事もない。
少しカラフルだけど。



知らない国に入国するときは緊張する。
その国を知らないから。知らない町も一緒。
だけど、何日、何週間、何ヶ月かそこで生活をすると慣れてくる。
生活するといっても、残念ながら旅行者なので、旅行者なりの生活をする。
簡単に言うと、宿を見つけて、食事して、観光して、移動する。
その間に色々と歩き、そして暮らしている人と接触する。
こんなのはどうだろう。
土地で言うなら、国の風。
人で言うなら、国の顔。
どうしたら、そういう風が流れて、そういう顔になるのか分からない。
だけど、国、町によって違いがあることは違いない。
そして、そこに滞在すると知らずのうちに不器用ながら、
その国の風を切って歩くようになり、その国の顔を手に入れる。
たまには他の町から来た人に道を聞かれたりする。
最初はありがとうと言うだけだったのが、
たまにはありがとうと言われるようになる。

こうやって知らずの内に手に入れた、
風と顔は習得したら、ずっと変わらず残っているもんだろうか?
多分残ってないと思う。
実際ヨーロッパの顔と風はメキシコの激しい雨とともに、
吹っ飛んでしまった気がする。
だけど、ヨーロッパのことを思い出す時にはそういう風と顔に戻る気分になる。
少し寂しいけど、新しい国の風と顔を手に入れるのはムチャクチャ気持ちいい。



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