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オアハカのゲラゲッツァ

2007/10/27

オアハカで年に1回行われる、
ゲラゲッツァ祭りに行ってきた。
オアハカ周辺の先住民族達の伝統舞踊、音楽を披露するお祭り。
去年は教職員組合が暴動を起こして行われなかったらしい。

オアハカには1週間ちょっと滞在した。
週末はゲラゲッツァを見て、
平日はのんびりしながら周辺の町を見て回った。

ゲラゲッツァは3回見に行った。
1回目は路上でそれぞれの楽団、ダンサーが、町を練り歩くもの。
2回目は町の集会場のステージ上でダンスを披露。
3回目は一番大きいスタジアムでダンスを披露。

個人的には1回目が一番楽しかったな。
楽団、ダンサーに混じって、
体を揺らせながら、一緒に町を練り歩く。
一体感があって気持ちよかった。

 


2回目、3回目も良かったけど、
客と出演者との距離はあった。
その分、披露するダンスの内容もそれぞれ濃くて、
見ている分にはとても楽しかった。
例えば、それぞれの民族のショーの前に簡単な説明があって、
その説明が各自の民族の言語で演説したり、
民族によっては意味は分からないけど、
力がこもっていて、政治的な意見を主張しているんだなと、
感じるようなものなんかもあった。
もちろん、ショー自体も凝っていて、
女性が闘牛士、男性が牛という形でダンスしたり、
頭に大きな花輪みたいのをのっけて踊ったり。
いろいろ。


2回目の祭りの時に、
変わった体験をした。
祭りの途中で雨も降ってきたんで、
夜メシの買出しに市場に行こうとした途中に、
人が50人程集まっている。
何してるのかと覗くと、
火炎瓶を持った男や、
バンダナで顔を覆っている男なんかが口論している。
どうやら、その場にある家を放火しようとしているらしい。
そこへ少し普通っぽくて、
ちょっと常識があるような人間が口論に加わる。
どうやら、その家を放火するよりも、
別の方法の方が効果があるということを説得している模様。

なんのことか?
その直後に珍しく日本語が話せるメキシコ人が話しかけてきて説明してくれた。
どうやら朝方、ゲラゲッツァの会場で、
警察と市民がもめたらしい。
そして何人かが警察に捕まったとか。
それに怒った人達が警察に反抗するために、
空き家を放火しようとしたところ、
直接、警察に向かって火炎瓶なんかを投げた方が早いし、
意思を直接的に伝えられるというような話をしていた様子。
たしかに。
良く見ると、3ブロック程周囲を武装した警察が、
乗っている車が定期的に巡回している。
しかも後ろの荷台に4、5人程の警察が銃をこちらに向けて威圧しながら。
と気づいたのもつかの間、みんなが一斉に走り出した。
警察が催涙弾を撃ってきた。
日本語がしゃべれるメキシコ人は始終オレのことを心配してくれて、
早く逃げろといってくれた。
それにしても催涙弾なんてこの先も浴びることはないと思う。
一瞬にして目が痛くなるもんだ。
そんな中、一人の青年がオレ達は今歴史を変えているんだーといって、
目を充血しながら、叫びながら歩いていた。

次の日新聞を読むとその他の場所でも警察との衝突があり、
車が炎上したり、ホテルの多くの客が予約をキャンセルしたり、
たくさんの人が逮捕されたという記事を見た。
その後、オアハカの教職をしていたという人と話す機会があったり、
オアハカで逮捕されている人を解放しろというデモを見たり、
ゲラゲッツァを中止しろというデモがあったりした。

それでも何がここで起きているのかがさっぱり理解できなかった。
ひとつは言葉の問題もあるだろうと思う。
ひとつは無知もあると思う。
文化の違いもあると思う。
友人になった少し北部のプエブロ出身のメキシコ人も、
長い期間ここは問題があるからねと言っていた。
彼もそんなに問題を理解出来てるようには見えなかった。
理解出来ても、根深い問題があり、解決するのは困難に感じた。

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