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トーマス

2007/03/09


イタリアのアンコナからギリシャのパトラスに向かう
フェリーの中でトーマスというドイツ人と知り合った。
このフェリーは20時間程かけて移動するもので、
とにかく長い。
昼の4時に出発して次の日の昼頃に着く。
トーマスは出発から、
すごい分厚い寝袋と掛け布団を敷いて、
次の日の朝まで起きなかった。

さすがにこんなに長い航路と、
恐らくシーズンではなかったために、
オレが買ったシート席は400席くらいある中で、
20席くらいしか客がいなかった。
その他の客(200人位)は、みんな個室のチケットを買って、
のんびりとしているようだった。

次の日の朝、
トーマスは自分のポットで作ったコーヒーをくれて、
色々と話しをした。
トーマスはギリシャにいるドイツ人の友人が経営している
バイク工場に、ドイツで買い取った中古のバイクのパーツを、
運んでいるそうだ。
日本のパーツは品質が良く、ほとんどが日本製のパーツらしい。
今回でパーツを届けるのは4回目らしい。
さすがに慣れたもので、
フェリーのチケットはデッキ料金が特なんだと教えてくれた。
ちなみにデッキのチケットは50ユーロで、
シート席は75ユーロ。
デッキのチケットを買ったって、
誰もチェックしないし大丈夫なんだそうだ。
(ギリシャのピレウスからヒオスまでのフェリーでは、
  シート席は高いからデッキチケットにしろと、
  チケット販売の子が教えてくれた。)

彼は今は45才くらいで、30~35才くらいまで、
世界を自転車で旅していたらしい。
北欧の海岸沿いは今までの人生で一番きれいだったよと教えてくれた。
バイクのパーツを運ぶ仕事は3年前から始めたらしい。
その他にはドイツのクローネという町で、
アパートの部屋を貸す仕事をしているらしい。

色々と話すうちに、
もし良かったらアテネまで乗っけていってやろうかといわれた。
オレもアテネに行く予定だったので、
喜んで連れて行ってもらうことにした。
ギリシャのピレウスからアテネまでは、
車で5時間程度の距離。

フェリーから出て、車に乗ろうとすると、
乗るところがまったくない。
フェリーの中で車の中はパーツだらけだけど、
それでも良かったらということだったけど、
本当にパーツだらけで、バンの中を所狭しと、
バイクのエンジンが載っけられている。

ギリシャに初めて足を踏み入れて、
感じたことは山の色が違う。
少し赤みがかった肌色をしている。
あとは家がイタリアに比べるとカラフルではなくなり、
素朴な印象を受ける。

車の中で彼の家族の写真を見せてもらったりした、
奥さん(とてもきれい)と3人の子供がいて、
大金を稼ぎたいとは思わないが、
家族が不自由なく暮らせるような生活はしたいといってた。
どこの国でもそうなんだろうと思った。

ギリシャというのはドイツ車と日本車が多いらしい。
フランス(ルノー、シトロエンなど)、
イタリア(アルファロメオ、フィアットなど)では、
それぞれ国産の車があるけれど、
ギリシャというのは国産の車というのはあまりないのだろうか。
日本からすると自分の国で走っている車がほとんど外国車というのは
考えられないと思った。

そんなこんなで、
まもなくアテネに到着するというところで、
高速道路の出口を間違えた。
運転をしている本人ではないので、
あー間違えたんだ位にしか考えていなくて、
あまり危機感を感じていなかったけど、
トーマスは相当焦っていた。
高速を一旦降りると確かに標識は全てギリシャ語で、
何を書いてあるのか分からない。
人に道を聞くのも結構難しそうだ。
なんとか予定を2時間過ぎたあたりで、
目的地の友人の工場に辿り着けた。
今日中にパーツを全部運び終えて明日には帰らなくてはいけないらしくて、
作業を急がなければいけないらしい。
アテネの中心地まで送ってあげたいけどごめんねといわれ、
こっちこそアテネまで連れてきてくれてありがとうと伝えた。

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